毎日快調ですか?


ddd
[ 元の記事 ]
出典元: 「奈良鹿ものがたり」の作者、中村文人さん=奈良公園
「奈良の鹿愛護会」会員の児童作家、中村文人さん(59)が同会の活動を描いた児童向けノンフィクション「奈良鹿ものがたり」(佼成出版社)を刊行した。江戸時代に始まった秋の風物詩「角きり」や、シカを呼び寄せて餌をやる「鹿寄せ」といった伝統行事のほか、シカにまつわる豆知識を紹介。奈良公園(奈良市)一帯に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」の魅力について、奈良育ちの著者が余すところなく伝える一冊となっている。(前原彩希)
中村さんは兵庫県西宮市出身。奈良のシカとの出会いは、奈良県大和郡山市に引っ越してきた小学3年のときにさかのぼる。「人に慣れているけど人にこびず、自由に生きている」。独特の魅力にはまったのがきっかけだった。
大学卒業後、東京の出版社に就職して以降も、帰省するたびに奈良公園に足を運んだ。「かわいい顔のシカを見ると、『うちに来ない?』と声をかけてしまうんです」
昨年、長らく勤めた出版社を退社して奈良に戻り、現在はフリーの編集者として活動する。一方で児童作家としての顔を持ち、「創作童話・絵本・デジタル絵本コンテスト」(NPO法人キッズエクスプレス21実行委主催)で、厚生労働大臣奨励賞を受賞したこともある実力派だ。
シカの保護活動に取り組む愛護会の活動を周知し、シカについて正しい知識を持ってもらおうと同書を執筆。観光客には欠かせない鹿せんべいや、シカの角がどうやって変化していくかといった豆知識も、コラムで紹介している。
撮影を担当した県出身の写真家、川上悠介さん(35)は「四季の風景を取り込み、シカの生態が分かるように撮影した」と言い、愛らしい表情を捉えた写真も見どころ十分だ。
中村さんは「シカについて詳しく知らない人も多いと思いますが、その生態やシカを守るために頑張っている愛護会の人たちの存在を知ってもらえたら」と話している。
問い合わせは佼成出版社(03・5385・2324)。